突然ですが、「今日は一日・"ニコニコメドレー"三昧」という番組をご存知でしょうか。 10年前の7月からおおよそ1年間+α放送された、ニコニコメドレーシリーズの動画をひたすら再生する生放送の名称です。
私は、この「メドレー三昧」の企画・放送主をしていた「たみすて(Terminal)」と言います。 最近はニコニコメドレーシリーズとはさっぱり縁がなかったのですが、記事投稿祭という話を聞いて、思い出語りでもしてみようかと思い筆を執った次第です。 よろしければ最後までお付き合いください。
改めまして、たみすてです。当時はTerminal(たーみなる)と名乗っていた気がします。たみすては「たーみ」なる・「すて」ーしょんを略したものです。意外にも被りの少ない名前で気に入っています。今日時点で三十路の社会人。
幼少から好きなものは鉄道一本、たまにラジオだったのが、大学あたりから色々と増えました。主な要素を挙げると「音ゲー」「アニラジ」、「『10年前の』ニコニコオールスター」でしょうか。今はアイドルマスターシンデレラガールズでちょっとしたプロデュース業に手を出しています。
ちなみに、ニコニコメドレーシリーズは現在に至るまで「聞き専」です。制作は全くやったことありません。
NHK-FMさんの「今日は一日・○○三昧」が発想元です。これは、祝日の特別枠として、特定ジャンルの音楽だけを放送する長時間番組です。とりわけ「アニソン」の反響が凄まじく、全盛期には15時間以上(9:20〜25:00、ニュース中断あり)の放送枠が組まれていたお化け番組です。ちなみに2020年現在でも健在ですので、気になった方は是非どうぞ。(GWに3回放送予定。恒例の「"キッズソング"三昧」など。)
私がメドレー三昧の放送を決めたのは、2020 2010年5月5日放送の「今日は一日"帰ってきたアニソン"三昧」が終わった深夜でした。ちょうど今から10年前のことでした。
制作は何もできない、それでも何かやりたい。そうだ、紹介放送だ。あの頃は大学生で暇と情熱にあふれていて、だからこそ放送できたんだろうなぁ、と懐かしくなります。
基本的にネタ元を踏襲しています。すなわち、「トークは挟むけど基本的にノンストップ動画垂れ流し」です。1作品あたり時間が長いため、長時間番組を覚悟して放送していました。すなわち、スタートが朝の9時半、終了が夜の19時半、実に10時間の番組です。
なぜ19時半で終了していたかというと、当時のニコニコ生放送の制約にありました。当時は放送枠数に制限があり、夜20時以降は「ゴールデンタイム」として長時間放送に制限があったのです。一応お金を払えばできないことはなかったのですが、当時の私は貧乏学生。やむを得ずゴールデンタイムを外した時間帯での放送となりました。
ただし、メドレー作品は作品時間が長い傾向にあるため、どうしてもだれてしまうでしょう。そこで編み出したのが、副音声による解説喋りでした。これについては、普段からラジオをよく聴く+雑談生をよくやっていたことにより抵抗が薄かったのが功を奏した形です。
パソコンで動画音声をミキシングせず「動画引用放送」していたことについても言及する必要があるでしょう。10年前のWindowsOSは「Vista」、そうOS側でのサウンドミキシング機能が削除されて配信には非常につらい環境でした。ニコニコ生放送ではニコニコの動画引用し放題という機能があり、またメイン音声・サブ音声の機能が付いていたことも幸いし、私の環境でも放送ができたのでした。
もっとも、これには「外部ツールでリクエストを含む動画管理が楽だった」「動画URLが生放送プレイヤーに残るのでアクセスしやすい」「喋りが邪魔な人は喋りだけ切れる」「動画引用なら著作権を理由とした生放送BANを回避できる(動画側に責任を負わせられるため)」という事情もありました。隔世の感がある話です。
これに、お昼時間帯をどうするかを加味した結果が、本放送となりました。
流す作品はリクエストを加味しつつ、私の独断と偏見をもとに選定しました。当時の文面を再掲します。
まあずいぶんと傲慢な文面なこと。4.については「飽きるの防止」と表現していますが、動画引用に伴う不具合防止(読み込み不良など)の意味合いのほうが強かったりします。 それでも、「選曲・縛り・その他の要素不問」は自分の中では大事にしていました。当時から、これはニコニコメドレーシリーズなのか?という話題は出ていましたし、実験作も出ていましたので、そういう作品も流せるように、という意図からです。
私だけ。上記のように当時サウンドミックスができない関係上、複数人でやることは現実的ではありませんでした。それが意味することと言えば、「10時間一人喋り倒し」。嘘だと思うでしょ? 現実なんですねこれ。
とはいえ、1回目はゲスト出演いただいたんですね。当時やっすい外付けミキサーを買って何とかした記憶があります。メンバーは時雨さん、ゆーきーたさん、メスシリンダーさんでした。ただ、どうもあれで「ゲストは無理だ」と周りが思ったらしく、それ以降ゲスト出演を名乗り出る方はいませんでした。
それでは、私が昼食をとっている間の放送をどうしてたかというと……
唯一普通に枠を切った3回目で放送事故を起こしてるんですね。基本何らかの企画を突っ込むという、なんというドSっぷり。
ジャンル特化の作品を紹介するパートでの話。アイドルマスターの作品を完璧に喋り切った状態で次の作品を流し、冒頭で発した一言。「えーと、『キルビィ』ですか?」
キルビィをアルファベット表記すると「KIRBY」、そう「星の『カービィ』」のことだったのです。視聴者もあまりの誤読に呆然としたことでしょう、その後界隈のいじりネタと化してしまうのでした。だって作品の映像にしれっと紛れ込ませる作者が出たもの。
そんなキルビィですが、当該作品の作者さんの未公開新作(当時)を番組ラストで先行お披露目という今思えばとんでもない芸当をさせて頂きました。いきさつは覚えていませんが、こちらから流させてほしいなんて話は畏れ多くてできないので、たぶん先方からの依頼でしょう。この番組が当時いかに影響力を持っていたか。
Finalでは「それまでに投稿された全作品の冒頭30秒を聴く」という無謀な企画を実施。何とかやり切りましたが、あれは失敗だったと思っています。全体を見渡して初めて見えてくることもあるでしょうに、当初の番組コンセプトを見失った報いですね。
ちなみにこの企画中、「3人で3秒合作」で笑いが止まらなくなり進行できなくなったのも思い出です。うん、執筆に際して再度見直してやっぱり笑いが止まりませんねw
その一方、同じFinalの企画「メドレー作品からワンフレーズ(約30秒)抜き出して紹介」は個人的に満足しています。どうしてもフルで流すと時間がかかる中、いかに紹介するかの方向性が示せたかなと思います。5年越しに「帰ってきた」を放送するモチベーションができたのもこれのおかげなので。
相変わらず、ニコニコメドレーシリーズという文化が続いているのは嬉しいです。 私自身、ジャンル雑食でなくなってしまったため元ネタもわからず、社会人で時間が取れないことも併せて、もうこんな放送はできないだろうと思います。
だからこそ言いたい。「メドレー紹介生放送はいいぞ」、と。
記事投稿祭への参加を思いついてから24時間の突貫完成のため、知りたい話が抜けていることもあるでしょう。ぜひ言ってください。こういう歴史系の話を残すことは非常に重要だと思っていますので、できる限り思い出して追記したいと思います。
最後に、今回記事にしてみようと思ったきっかけを少しだけ。
まちいろ*らいぶらり 「今日も一日・ニコメドここすき三昧 2020Spring」告知記事
長い付き合いになるゆーりくんから、ニコメド生放送したいのでコミュを使わせてほしいという依頼がありました。もちろん快諾です。昨年からやってくださっていてありがたい限りです。 来週末予定ですので是非ご覧ください。
まさか、自分がやっていたことが昇華された番組ができていたとは思いもしませんでした。生放送というリアルタイム番組で解説・紹介という需要はなくならないと思っていたので嬉しい限りです。
そして、番組内で紹介されていた「【オールスター】ニコパーク【ニコニコメドレー】」。 離れていた時間を埋めるような作品でした。
あの時は生放送に行き急いでいた気がします。物事にはタイミングってあるのでしょう、ゆっくり、自分のペースで楽しんでいければと思いますし、それでいいのだと思います。